スポーツ整形外科とは
- スポーツ整形外科は、文字通りスポーツに起因する外傷や障害を治療する専門診療科です。スポーツによる怪我は、スポーツに復帰することが目的ですので、別途このような診療科が設けられているのです。
- スポーツには、大別して「競技スポーツ」と「生涯スポーツ」があり、特に競技目的(記録の向上や競技会での優勝など)の場合は、特殊な症状が生じやすいと言われています。なお、当院では、競技スポーツで生じた障害を中心としつつ、健康維持を目的としたスポーツで生じた怪我などにも対応しております。
スポーツ整形外科で扱う主な怪我
アキレス腱断裂
- アキレス腱断裂は、足の踵にあるアキレス腱に急激な負荷がかけられることによって引き起こされる外傷です。スポーツなどアキレス腱に負担のかかる動作でよく起こるのですが、日常的に運動を行っている人よりも、普段は運動を行っていない中年の方などが、たまに激しい運動を行ったケースでよく見られます。
- 当院では、ギプスや装具を用いた治療を行いますが、患者さまの状況に応じて、断裂したアキレス腱を縫い合わせる手術を近隣病院に紹介します。
靭帯損傷
- 膝や足関節の靱帯損傷が多いですが、大腿骨と脛骨をつないでいる十字靱帯は、膝を内側に捻ったり、人と衝突したりした際に断裂することがあります。受傷直後から膝に力が入らなくなり、歩くことができなくなり、数時間で膝が曲げられなくなってきます。これは膝の関節内に、切れた靭帯からの出血が充満するためで、膝を曲げようとすると、お皿の上側や膝の裏側に強い痛みや圧迫感が生じてきます。受傷後2~3週間くらいの急性期には、膝の痛みと可動域制限が見られます。
- 急性期を過ぎれば、痛みや腫れ、可動域制限はいずれも軽くなり、日常生活の支障は少なくなりますが、この頃になると損傷部位によっては膝の不安定感が目立ってくることがあります。不安定感を放置すると、新たに半月板損傷や軟骨損傷などが生じ、慢性的な痛みや腫れが出ます。受傷後早期の診断とリハビリが、二次損傷を防ぐ上でも大切です。
肉離れ
筋肉が伸ばされながら収縮すると、外力に負けて筋肉に部分断裂が生じることがあります。テーピング・理学療法で2~3週間で治ります。